地震時には、地下水を含んだ砂質地盤に強い揺れが働くことで、砂粒子と砂粒子との隙間(間隙)内に静水圧を超える圧力(過剰間隙水圧)が発生します。この圧力により砂粒子同士の接合が切れ、砂粒子が水の中を漂う状態、いわゆる液状化現象の発生により、比重の軽いマンホールの浮上を生起させます。
このため、本工法では地震時に過剰間隙水圧を瞬時に消散させるための過剰間隙水圧消散弁をマンホールに取り付ける事で、マンホール周辺地盤の液状化を抑制し、マンホールの浮き上りを抑える工法です。
液状化現象によるマンホールの浮上 (新潟県中越地震)
適用マンホール | マンホール深 5m以内のマンホール |
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地震により、地下水を含んだ砂質地盤に強い揺れが働くことで、砂粒子と砂粒子との間隙に静水圧を超える圧力の発生を「過剰間隙水圧」と言います。この圧力により、砂粒子同士の接合が切れ、砂粒子が水の中を漂う状態を「液状化現象」と言います。この発生により、比重の軽いマンホールの浮上を生起させます。
1.地震前
2.地震中
地震時に発生する過剰間隙水圧により液状化が発生。比重の小さいマンホールは浮上します。
3.地震後
砂粒子が再堆積します。
地震時に発生する過剰間隙水圧を「消散弁」により瞬時に消散させます。
これにより、マンホール周囲の液状化現象を抑え、マンホールの浮上を抑制します。
消散弁は、受圧板・ソケット・メッシュ等で構成しています。地震時に過剰間隙水圧が加わると、受圧板が外れることで水圧を消散させます。
また、消散弁の地盤側は、メッシュ構造になっており、土砂等がマンホール内に流入するのを防止します。
専用の削孔機(消散弁取付装置)をマンホール内に設置し、貫通手前まで削孔します。
削孔部のコアを除去します。
消散弁を削孔した孔に挿入し、手順01で残した壁が貫通するまで圧入します。最後に消散弁の周囲を仕上げ、開閉蓋を取り付けます。